空中写真は、家屋・道路・河川・森林などの地物を省略することなく写しており、豊富な情報量をもちます。古い時期からの空中写真を利用することで、国土の利用、保全、防災、その他各種計画・調査、学術研究、学校教育等に広く利用されております。近年、建築確認・非農地証明等の申請や、筆界特定制度や土地の境界に関する資料として、撮影の一部分を拡大する部分出力印画(撮影記録証明付)が利用されております。
1.モノクロ(白黒)空中写真
モノクロ空中写真は昭和20年代(S21年~31年頃)に米軍による撮影のものと、昭和35年以降に国土地理院により撮影されたものがあります。また、地域によっては昭和10年代に日本陸軍が撮影した貴重な空中写真もあります。
2.カラー空中写真
カラー空中写真は、市街地や農地の土地利用、植生あるいは道路、建物等各施設の状態を容易に判読することが可能です。昭和49年~53年にかけて全国撮影が行われ、以降は経年変化の激しい地域の撮影や震災・災害等による緊急撮影が行われております。
3.数値空中写真
国土地理院では、平成19年度より空中写真撮影にデジタル方式の航空カメラを採用しました。これに伴い平成19年度以降の撮影は数値空中写真として刊行されております。
4.デジタル画像データ(CD-ROM,DVD)
昭和21年頃から全国土を対象に繰り返し撮影された、約100万枚に及ぶ国土地理院が保有する空中写真をTIFF形式のデジタル画像データとして提供しております。デジタル手法による地図作成、GISを用いた解析、土地の筆界の現地における位置を特定する筆界特定制度等幅広くご利用いただけます。
5.正射空中写真
正射空中写真(正射出力印画及び正射画像データ)は、平成19年度から撮影が開始された「数値空中写真」撮影区域についてその撮影写真を正射変換して作成したものです。平成20年10月より刊行されております。
※画像データの拡大例(CKK-2008-1-C16B-17より)